歯科医院で処方される薬の種類と正しい服用方法

歯科医院では痛み止めや化膿止めのためにお薬を出すことがあります。
お薬は使い方を間違えると、効力を発揮しなかったり、副作用を起こすこともあります。
お薬をお渡しする際に、お薬を効果的に使用するために適正な使用方法、お薬の飲み合わせで注意することがありますので、以下の点で当てはまるものがあれば教えてください。
- お薬を飲んで、かゆみ、発疹などのアレルギー反応が出たことがある方。
両親、兄弟にアレルギー反応が出たことがある方
- 喘息をお持ちの方
- 腎障害、肝障害のある方
- 妊娠中または授乳中である方
- 他の薬を服用している
副作用を少なくするためには決められた飲み方を守り、水またはぬるま湯とともに内服することが大切です。
歯医者さんで出すことのあるお薬は、主に痛み止め・抗生物質・胃薬・うがい薬

- 痛み止め
当院では、ボルタレン、ロキソニン、カロナールの3種類をご用意しております。
お痛みがある時、痛みが出る可能性がある時、抜歯後、外科処置後などに処方します。
痛み止めはは痛みを弱くする作用がありますが、飲めば全く痛くなくなるということではありません。
症状に合わせて必要な時にだけ飲む方法で飲むことが多いのですが、もう少し効き目が欲しいために、ついつい飲みすぎる傾向があります。
量を飲みすぎると副作用が増加してくる薬剤です。
歯科医師、薬剤師の指示をしっかりと守って飲み、むやみに多く飲まないことが大切です。
- 抗生物質
抗生物質は感染した細菌、真菌、ウィルスに対してそれぞれを発育させないようにし、感染症を治癒させます。
当院では、サワシリン、メイアクト、ジスロマック、クラビットをご用意しております。
歯科では、抗生物質は親知らずが腫れる、歯肉が腫れた時及び抜歯時に処方されることが多いです。
抗生物質の中途半端な飲み方は耐性菌を作りやすくするとも言われていますので、飲み忘れしないように最後までしっかりと飲むことが大切です。
- 胃腸薬
抗生物質の中には胃腸を荒らして潰瘍を起こしやすくするものがあり、抗生物質と一緒にお出ししますので、一緒に飲んでください。
- うがい薬
洗口剤は歯牙や口腔内粘膜を清潔にするために口に含んでクチュクチュと洗口する場合に使用します。主に抜歯の消毒後にお出しします。
他に、口内炎が気になる方、口腔内に傷ができている方へ塗り薬の処方があることもあります。
お薬の飲み合わせの注意事項

- ペニシリン系薬剤(抗生物質・サワシリンなど)
ペニシリンアレルギーの患者さん及び伝染性単核症(EBウィルス感染で、咽頭痛、発熱などの症状)にかかっている人は服用できません。
薬剤の飲み合わせとしては、低用量経口避妊薬(ピル)と抗凝固薬のワーファリンに対する影響が挙げられますがいずれも影響は少ないので禁忌事項ではありません。
- セフェム系薬剤(抗生物質・メイアクトなど)
セフェムアレルギーの患者さんは服用できません。ペニシリンアレルギーの患者さんは、セフェム薬に対してもアレルギーを認めることもあります。
薬剤により経口避妊薬(ピル)の血中濃度を低下及び抗凝固薬のワーファリンの血中濃度の上昇が報告されています。
- マクロライド系薬剤(抗生物質・ジスロマックなど)
マクロライドアレルギーの患者さんは服用できません。
- キノロン系薬剤(抗生物質・クラビットなど)
キノロン系薬剤にアレルギーの患者さん 、妊婦または妊娠している可能性のある方、子供は服用できません。
全てのキノロン系薬剤は、増血薬の鉄剤(商品名:フェロミア他)やアルミニウム含有の胃薬(商品名:マーロックス他)との併用によりキノロン系薬剤の血中濃度が低下し、キノロン系薬剤の効果の減弱が予想されます。
また、痛み止めとの併用により痙攣などの症状がみられることがあります。
痙攣などの症状が強く出る薬剤の組み合わせ(ロメフロキサシン塩酸塩とフルルビプロフェン(商品名:フロベン))は併用はできません。
まとめ
歯科医院でお薬を処方された場合は、歯科医師もしくはスタッフに使用上の注意、禁忌事項を確認の上、ご使用されることをおすすめいたします。
一つの薬であっても、正しい使用法で服用されることをおすすめいたします。