知っておきたい!親知らずの種類と抜歯の流れ
親知らずの種類
正常な親知らず
正常な親知らずは対合する歯(上なら下、下なら上)と咬み合っている状態です。親知らずに虫歯や何か問題がない場合は抜く必要はありません。
顎が小さく生えてこれない親知らず①
顎が小さく、親知らずが生えるスペースがありません。親知らずの一部が歯肉から見える状態です。
顎が小さく生えてこれない親知らず②
顎が小さく、親知らずが生えるスペースがありません。見ためではわかりませんが、レントゲン撮影をすると親しらずが埋まっているのがわかります。
親知らずのトラブル
正常に咬みあって何の問題もない親知らずであれば抜く必要はありません。しかし、存在するだけでトラブルを起こしているような場合は「親知らず」を抜いてその他の正常な歯の健康を維持した方が良い場合があります。
- 歯肉が腫れる
まっすぐ生えていない親知らずは手前の歯肉を圧迫し、歯肉炎を起こしやすくなります。
- プラークが溜まりやすくなる
まっすぐ生えていない親知らずは歯と歯肉の間にプラークが溜まりやすくなり、歯肉炎を起こしやすくなります。
- 親知らずが虫歯になる
ブラッシングが難しいためプラークが蓄積し、親知らずが虫歯になることがあります。
- 親知らずの手前が虫歯になる
ブラッシングが難しいためプラークが蓄積し、親知らずと手前の歯が虫歯になることがあります。
- 歯周病になる
ブラッシングが難しいため歯肉炎から気付かないうちに歯周病になることがあります。
- 上の歯が伸び、下の歯茎を噛んでしまう
噛み合わせのない歯は伸びる性質があるため、上の親知らずの場合は下の歯肉にあたり、傷を作ってしまうことがあります。
- 上の歯が伸び、下の歯に当たって骨の吸収が始まる
上から伸びた親知らずが下の歯にあたり、歯周病を進行させてしまうことがあります。
- 歯が前に倒され、歯並びが悪くなる
まっすぐ生えていない親知らずに手前の歯が押されて歯並びが悪くなることがあります。
抜歯の流れ
痛みが出ないよう麻酔をかけ歯茎の中に埋まっている場合歯茎を切開します。さらに真っ直ぐ生えていない親知らずは分割します。歯茎から取り出せる大きさになったら親知らずを抜きます。骨の治りを良くするために縫合します。縫合した糸は約7〜10日間後に抜糸します。
抜歯後の症状
抜歯後には『腫れ、痛み、口が開きにくい、喉が痛い』などの症状がしばらく続くことがあります。
下顎の骨の中には血管、神経が通っており、智歯はこれらの神経血管や舌の神経に近接しているため術後に下唇や舌の知覚異常を起こす可能性があります。
知覚異常が何日か続く場合はご連絡ください。
上顎の智歯は上顎洞副鼻腔に接しているため抜歯の際に上顎洞と口腔が交通することがあります。
その為血液、水、空気などが鼻に漏れたり、上顎洞に炎症が起こることがあります。
交通した穴が小さく炎症を起こさなければ穴は自然に塞がります。
抜歯後数日経っても鼻から水が漏れる、鼻が詰まるなどの症状が続く場合はご連絡ください。
抜歯後の注意事項

- お口をお水で激しくゆすがないでください。
- 当日は激しい運動を避けお風呂はシャワー程度にしお酒は飲まないでください。
- ガーゼは30分ほど噛んでいてください。
- 抜いた所を舌や指でさわると出血したり、感染する恐れがありますので刺激しないようにしてください。
- 出血が続くようでしたら新しいガーゼ(清潔なティッシュ)に取り替え30分程しっかり咬んで様子をみてください。
- 抜糸後、翌日まで、つばに多少血がにじむのは異常ではありません。
- 麻酔の覚める時間は個人差があり約30分〜3時間位です。麻酔の冷めないうちの食事は十分に注意してください。
- 歯磨きは歯を抜いた部分を避けて行ってください
- 痛み止め・はれ止めが処方されますので痛い時・はれた時は飲んでください。
痛みやはれがあっても氷で冷やさないようにし濡れタオル程度にしてください。
出血がひどい場合やその他不安に思うことがございましたら、再度ご来院くださるか電話にてご連絡ください。