※現在の治療費と異なる場合がございます。最新の治療費は直接医院へお問合せください。
・歯周病は健康であった時の状態には
戻らない
・でも、治療をすれば炎症はなくなり、
組織の破壊は止める事が
出来る
というのが本当の所です。
ですので、元の状態に戻らない事を「治らない」と言う先生もいれば、炎症が無くなり組織の破壊を止める事を「治る」と言う先生もいます。
歯周病とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で、歯の周りの歯茎(歯肉)が炎症を起こし、歯を支える土台となる顎の骨が溶けてしまう病気です。
歯と歯茎の境目(歯肉溝)の清掃が行き届かないでいると、そこに多くの細菌が停滞し歯茎が炎症を起こして赤くなったり、腫れたりしますが炎症が酷くなるまで痛みはほとんどの場合ありません。
さらに進行すると膿が出たり歯が動揺してきて、最後には歯を抜かなければならなくなってしまいます。
一度歯周病になると、歯のまわりの組織が炎症を起こして破壊され、酷い場合は「歯を支えているあごの骨」などが溶けてなくなる可能性もあります。
しかし、定期的にお手入れする事により、炎症や歯周病の進行は止める事が出来るので、歯周病になった場合は、面倒でもしっかりとお手入れを続けて行く事が大事
です。
歯周病原菌が原因で発症する「歯周病」、何となく歳を重ねるとなってしまう様なイメージを持っている人も少なくありま
せん。
一般的な歯周病は、歯周病にかかってからかなり時間が経ってから症状が出ることが多いので、そう思われるかもしれませんが、実際には20歳以上の8割は歯周病にかかっている(※)と言われています。(※・・・厚生労働省「平成23年歯科疾患実態調査」より)
そう考えると、少しでも歯周病について気になる様なら、今すぐにでも治療や予防を始める事をオススメします。
「歯周病治療」について、基本的な流れをご紹介させて頂きます。
レントゲン写真と歯茎の検査を行い、それに基づき歯周病の診断をします。
診断結果をご説明し、患者様に合った治療方針を相談しながら決めていきます。
歯茎の上についた汚れ(歯垢や歯石)を除去し、歯磨きの仕方を説明します。
歯茎の中についた汚れ(主に歯石)を除去します。痛みがある場合は麻酔をする場合もあります。
再度、レントゲン写真撮影と歯茎の検査を行います。
炎症が治まっていれば⑧
治まっていなければ⑥
歯と歯茎の間の溝の深さが深い(4mm以上)場合、歯茎を切って中がよく見えるようにし、④で取り切れなかった歯石や炎症した組織を取っていきます。
⑥から2〜4週間ほどあけて、再度、レントゲン写真撮影と歯茎の検査を行います。
歯周ポケットの状態が3mm以下の健康な状態で安定していればメインテナンス、4mm以上のところが少し残ってはいるけれど安定した状態を維持していればSPT(歯周病安定期治療)へと移行します。検査とクリーニングを主に行います。
上記の流れで歯周病治療が終わり、症状が安定すれば定期検診へ移行します。面倒に感じても、将来的な事を考えて継続的に受けられる事をオススメします。
歯周病治療には次の2つのアプローチが必要です。
歯周病の原因はこの「1.歯周病菌」で、前述の治療の流れに沿って機械的にこれらを除去する事になります。
一方「2.様々な病気や悪習慣」というのは、例えば糖尿病や歯ぎしり、喫煙などの事をいいます。これらに対しての治療や対応も歯周病治療には求められます。
まずはご自身で毎日のお口の中の手入れをすることが大事ですが、お口の中は細かく複雑なので、完璧にする事は出来ません。
自分ではできない所を、歯科医院で手入れのプロ(歯科医師や歯科衛生士)が対応していきます。
ここまでを踏まえて「歯周病予防」についてまとめると・・・
という流れが予防には非常に重要です。
歯周病は免疫力が低下すると症状が強く出たリ、組織の破壊がより進行していき
ます。
毎日の手入れ、定期検診に加えて、規則正しい生活をして健康に保つことが、歯の周りの組織に定着することを防いでくれることが分かってきており、結果的に歯周病予防につながります。
歯茎の炎症があっても、骨を溶かしている度合いが少ない場合には、軽度から中等度の歯周病のため歯を抜くことなく治療が行えると考えられます。
しかし、重度の歯周病へと進行している場合、歯を支えている顎の骨がほとんど溶かされていて抜歯せざるを得ない場合もあります。そうなると、その歯を無理に残すことは、まだ残せる隣り合う歯へのダメージの方が大きいためおすすめしません。
抜歯となった場合には、取り外しが可能な入れ歯にするか、抜いた歯の前後の歯を土台としたブリッジ(橋渡しの固定した歯)となるか、インプラント(人工の歯)を入れるかという選択肢があります。適応の範囲がそれぞれ異なってくるため、患者様に合わせた治療方法をその都度ご提案していく形となります。
治療前 | 治療後 | |
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治療後 | ![]() |
治療前下の前歯部レントゲン写真 | 治療後下の前歯部レントゲン写真 | |
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治療後下の前歯部レントゲン写真 | ![]() |
初診日 | 2018/9/22 |
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歯周基本治療終了 | 2019/5/26 |
治療部位 | 全ての歯(全顎) |
治療内容 | 歯周基本治療(歯磨き指導、縁上歯石、縁下歯石の除去) |
治療費 | 保険内(1回約1,000円〜2,000円程度) |
リスク・副作用 | 歯茎の上や下にある歯石を除去すると、腫れていた歯茎が引き締まってきて、歯の根の部分が見えてくることがあります。その結果、歯が長く感じるようになったり、知覚過敏が起こりしみやすくなったりします。 |
お口の中の写真では、歯の周りについている黒いものが歯石です。舌側の写真では白い歯石がこびりついていますね。
基本治療で歯茎の上の歯石と、歯茎の中の歯石を取ることで、かなり綺麗な状態になりました。炎症が収まると、腫れが引くため、歯茎は少しさがってきたようにも見えます。
治療前下の前歯部レントゲン写真で赤く囲んである部分に歯と歯の間について白いもやもやしたものが歯石です。治療後の写真では綺麗になくなっているのがわかるかと思います。
この症例では、特に下顎前歯部の歯肉の発赤、腫脹が強く動揺も大きかったのですが、治療後は歯肉状態も動揺も比較的安定しています。
骨の吸収が大きい場合、歯周病になる以前の元の状態までは戻りませんが、それ以上に悪化することを防ぐことが可能です。